ホスティングプランが実際に何を制限しているのか、それぞれの上限に達したときに何が起きるのか、そして遅いサイトの原因がリソースの問題なのかコードの問題なのかを見分ける方法を説明します。
「サイトが遅い」と「サイトで何かが足りなくなった」は、外から見ると同じように感じられますが、その中身にはほとんど共通点がありません。このガイドでは両者を切り分けます。まず上限が実際に何なのか、次に本当の遅さをどう診断するかです。
まず、遅いのか壊れているのか
遅いとは、時間はかかってもページが読み込まれることです。壊れているとは、読み込まれないことです。
遅いページではなくエラーページが表示される場合は、ここで読むのをやめて HTTP エラーコード に進んでください。500、502、504 にはそれぞれ特定の原因と解決策があり、どれも「プランのアップグレード」ではありません。
サイトが遅いのではなくアクセスできない場合は、ウェブサイトが表示されない に進んでください。
プランが実際に制限しているもの
制限されているのは 4 つで、それぞれ上限に達したときの動きがまったく異なるので、どれがどれかを知っておく価値があります。
ストレージ。 ファイルとデータベースが使うディスク容量です。毎日計測されます。
帯域幅。 訪問者が 1 か月にダウンロードするデータ量です。
サイト数。 プランで運用できる個別のサイトの数です。
CDN の利用。 CDN をそもそも使えるかどうかです。エッジがお客様に代わって配信するトラフィックの量には制限がありません。CDN を含むすべてのプランで、エッジの帯域幅は無制限です。
具体的な割り当て量はプランによって異なります。各プランの最新の数値は、請求、プランを変更 の順に開いた画面に並べて表示されます。内容が古くなるおそれのあるヘルプ記事の数値ではなく、この画面で比較するのが確実です。プランのアップグレード を参照してください。

それぞれの上限に達したときに起きること
多くの人が心配する部分ですが、実際は思ったほど深刻ではありません。
ストレージ。 ディスク使用量は毎日計測され、サイトの概要ページに表示されます。使用量が増えると Insights で警告が届き、容量の上限に近づくにつれて警告の度合いが強くなります。Insights を参照してください。
サイト数。 この上限は作成時に適用されます。プランの割り当てを超えてサイトを作成しようとすると、プランの上限に達しているというはっきりしたメッセージが表示され、アップグレードするか別のプランを追加するかを選べます。既存のものには影響しません。
CDN の利用資格。 CDN を含まないプランで CDN を有効にしようとすると、アップグレードのリンクとともに「not included on your plan」(ご利用のプランには含まれていません) という簡潔なメッセージが返されます。一部だけ使える、または機能を落として使えるといったモードはありません。CDN の有効化 を参照してください。
CDN の帯域幅。 達するべき上限がないので、何も起きません。CDN を含むすべてのプランで、エッジの帯域幅は無制限です。配信量が多すぎるという理由でサイトがエッジから外されることも、エッジが一時停止されることも、量を理由にトラフィックがオリジンに戻されることもありません。CDN ページの 今月の帯域幅 カードは、エッジがお客様に代わって配信した量をリアルタイムで示すもので、何かから差し引かれるものではありません。
非常に大規模なアカウントには、アカウント全体に適用される フェアユースポリシー が適用されます。このポリシーは独自のしきい値を公開しており、1 つのサイトではなくアカウント全体に適用され、まず通知を行います。しきい値を超えた日に当社からメールでお知らせし、黙って速度を制限したり、さかのぼって請求したり、予告なしに停止したりすることはありません。
Managed WordPress と WooCommerce の帯域幅 は、緩やかな上限として機能します。上限に近づいたときと、上限を超えたときに通知が届きます。サイトが止められることはなく、超過分が請求されることもありません。ホスティングの帯域幅には料金がかからず、通知はお客様に状況を知っていただくため、そして使用量を減らしたい場合に無料の CDN キャッシュ層の設定をご提案するためのものです。
プランごとに制限されていないもの
多くの人があると思っているのに、実際にはないものが 2 つあります。
ウェブホスティングのプランには、サイトごとの CPU やメモリの割り当てはありません。 プランによってコア数が割り当てられることはありません。
PHP の処理能力を近隣のサイトと奪い合うことはありません。 各サイトは、それぞれ隔離された専用の PHP ワーカープロセスのプールで動作します。隣の混雑したサイトが、お客様のサイトに必要なワーカーを使い切ることはできません。この隔離は実際に機能しており、このプラットフォームで「他人のサイトのせいで自分のサイトが遅くなっている」という説明がほぼ当てはまらないのはそのためです。
実際に適用されるのは リクエストごと の上限です。1 回のリクエストが使えるメモリの量と、実行できる秒数です。これらはお客様ご自身で設定します。PHP の拡張機能と設定 を参照してください。
使用量の確認場所
- ストレージ: サイトの 概要 ページ。
- CDN の帯域幅: CDN を有効にすると同じく概要ページに表示されるほか、サイトの Kapsule CDN タブにも表示されます。
- 警告: Insights とメールで届きます。Insights を参照してください。
遅いサイトを実際に速くする
手間に対する効果の大きい順に並べています。いきなり最後に飛ばず、上から順に進めてください。
1. キャッシュをオンにする
どんな場合でも、最も効果が大きい方法です。保存したページのコピーを配信するほうが、訪問者ごとにページを組み立て直すより、桁違いに負荷が小さく済みます。
ウェブサイト、対象のサイト、WordPress、キャッシング の順に開きます。オブジェクトキャッシュは WordPress 系のすべてのプランで、ページ全体のキャッシュはマネージドプランで利用できます。サイトのキャッシュ を参照してください。
一部のパスは意図的に一切キャッシュされないことに注意してください。管理画面、ログイン、カート、チェックアウト、アカウントのページです。チェックアウトのページをキャッシュすると、ある顧客に別の顧客のカートが表示されてしまうため、これは設定で変えられませんし、変えられるべきでもありません。
2. CDN を有効にする
キャッシュはコピーを 1 か所に置きます。CDN はそれを訪問者の近くに置きます。訪問者がサーバーと同じ国にいない場合に最も効果があります。対象のプランと独自のカスタムドメインが必要です。CDN の有効化 を参照してください。
3. 新しい PHP のバージョンに移行する
手間をかけずに、実際に計測できる違いが出ます。まずステージングでテストしてください。PHP のバージョンの変更 を参照してください。
4. 画像を見直す
遅いページで最も大きいのは、たいてい画像です。スマートフォンで撮ったままの写真は数メガバイトになることがあり、それが幅 400 ピクセルで表示されていたりします。アップロードする前にサイズを変更し、新しい形式を使ってください。
5. プラグインを見直す
リクエストのたびに処理を行うプラグインは、リクエストのたびに負担になります。1 つずつ無効にして計測してください。使っていないものは、無効のまま残さずに削除してください。WordPress のプラグイン を参照してください。
6. 実際に遅い箇所を見つける
推測をやめて、計測してください。
- WordPress サイトの APM タブ では、どのリクエストが遅いかがわかります。サイトのパフォーマンス を参照してください。
- WordPress のヘルスツールから使える スロークエリログ では、どのデータベースクエリが問題かがわかります。
- PHP のスローログ には、時間がかかりすぎたリクエストがそのとき何をしていたかが記録されます。
- エラーログ には、目立たずに失敗して再試行されているものが表示されます。エラーログ を参照してください。
7. それから、そのときに初めてリソースの追加を検討する
キャッシュがオンで、CDN も有効、PHP は最新で、画像も適切で、プロファイラーでも処理が本当に必要だとわかった場合は、プランの規模を超えているので、上位のプランへの移行が正しい判断です。プランのアップグレード を参照してください。
この手順を最初に行うと、遅いままのサイトにより多くの料金を払うことになりかねません。最適化されていないサイトは、大きなプランに移しても最適化されていないサイトのままだからです。
サーバーが必要になるとき
大多数のサイトにとっては、共有ホスティングが適した選択です。プラットフォームが提供していないソフトウェア、root アクセス、標準外のサービス、あるいは本当に重い処理のための予測可能な専用リソースが必要になったら、クラウドサーバーまたは専用サーバーに移行してください。クラウドサーバー と アーキテクチャの選び方 を参照してください。